2010年05月10日

ああ抑止力論議 & 『兵士不在目立つ在沖縄海兵隊』東京新聞

今朝のスーパーモーニング、普天間、沖縄の人間を指して「住民エゴ」という人間がいるのを見て、いま更ながら、口からエクトプラズマが出るほどおどろいた!沖縄に100年基地を押し付けようとしている人間が発する言葉ではないだろう。差別する側が、踏みつけている相手の人間の痛みを露ほども感じないことの典型的な表れだあろう。

しかし、ようやく
 「海兵隊って何、どんなことするの?」
 「なぜ、日本政府はバカほど巨額の金を米国に出し続けるの?」
という疑問が日本国内にも湧いてきたようだ。ぜひ
 「なぜ日本は、自民党政権は、沖縄を米国に売り渡してきたの?」
という疑問にも、「密約」という重大な国民への裏切りの恐ろしさとともに目覚めて欲しい。マスコミの情報操作に載せられて、鳩山を非難している場合ではない。

竹島、尖閣諸島はアメリカは介入しない事を、とっくの昔に表明しているにもかかわらず、またぞろこれを持ち出す人々に対して、鳥越俊太郎が「竹島は韓国に占領されているが、海兵隊は出ていかない。抑止力はないのだろう」と指摘していた。短いけれどわかりやすい。

さて、東京新聞がまた優れた記事を掲載した。
ぜひ購読を検討するか、携帯ネットからの配信を受けて欲しい。特に「核心」「特報」の2つの記事はこのどちらかでしか読むことはできない。http://www.tokyo-np.co.jp/
とお断りしたうえで、記事を紹介します。

ただし、「米側から在沖縄海兵隊の兵員数は定数一万八千人との説明を受け」と書かれている18,000人という数字は先にも指摘したように日本(守屋次官)側が出してきた数字で、米国側が出したものではないとすでに明確に否定されているものです。
ほとんどの部隊が、沖縄に残らない、残るとしても世界中への、殴りこみ、殺戮が忙しくて休暇、休憩でしか帰ってこないことが明らかになると、大規模な基地建設の言い訳が立たなくなるので、勝手に日本が水増して報告しているのです。抑止力論議と一緒ですね。



兵士不在目立つ在沖縄海兵隊

『抑止力』になってる? 米海兵隊普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、沖縄で鳩山由紀夫首相は「抑止力の観点から難しい」と海外移設を断念した理由を明らかにした。だが、在沖縄海兵隊はイラクやアフガニスタンへ派遣され、相当数が不在。「抑止力」になっているのか。(編集委員・半田滋)

政府は米軍再編の協議で、米側から在沖縄海兵隊の兵員数は定数一万八千人との説明を受け、このうち八千人をグアム移転させることで日米合意した。

◆中東派遣

だが、沖縄県庁は米軍への聴取から実数一万二千四百二人(二〇〇八年九月末)としている。この人数から八千人を引くと、四千人強しか残らない。定数からの引き算なら一万人残る計算だが、沖縄から中東へ派遣された兵員がいつ戻るか不明だ。
沖縄に部隊があれば、兵士不在でも「抑止力」になるのか。湾岸戦争では沖縄から二千人が派遣され、この穴埋めに同数の予備役兵が米本土から沖縄に派遣された。しかし、〇四年二月にイラクに送り込まれた歩兵三千人の補充はなかった。
同年八月から翌年三月まで唯一の実戦部隊「第三十一海兵遠征隊」(約二千二百人)が普天間飛行場のヘリ部隊とともにイラク戦争に派遣され、八カ月間不在になった。イラクとアフガンで二つの戦争が同時進行したとはいえ、沖縄の海兵隊は「空席」が目立つ。

◆ちぐはぐ

沖縄の海兵隊は「第三海兵遠征軍」と呼ばれ、米本土にある第一、第二海兵遠征軍の三分の一の規模でしかない。その役割について、防衛省幹部は「朝鮮半島や台湾での有事に対応する」という。
だが、〇六年の米軍再編合意で、米海兵隊岩国基地(山口県)のCH53Dヘリ八機はグアム移転することになった。朝鮮半島有事の際、米兵の家族を韓国から空輸する人道支援との名目で〇一年に配備されたヘリだ。
在日米軍全体をみると、ちぐはぐぶりはより鮮明になる。米空軍三沢基地(青森県)のF16戦闘機は、レーダー破壊が専門で朝鮮半島有事にも対応する部隊だが、昨年四月、米軍は全面撤退を非公式に防衛省に打診した。
また、米軍再編の議論を通じ、米側は横田基地(東京都)にある在日米空軍司令部を兼ねた第五空軍をグアムの第十三空軍と合併させた後、グアム移転させる案を提示した。日本側の反対で実現しなかったが、その後、第五空軍指揮下の複数部隊は第十三空軍に配置換えされ、司令部の空洞化が進んでいる。

◆出撃基地

日本側が在日米軍の「現状維持」を叫ぶのに対し、米国の考えはより柔軟なようだ。しかし、米側は日米で一度は決めた普天間代替施設のV字案にはこだわりをみせる。
キャンプ・シュワブ(名護市辺野古)を一部埋め立てて滑走路二本をV字形に造る施設には、二百十四メートルの係船岸壁が追加される。歩兵部隊は目の前の岸壁を使い、佐世保基地(長崎県)から来る強襲揚陸艦に乗り込むことが可能になる。現在は沖縄南西部の桟橋まで約一時間かけてトラック移動しているため、出撃機能は強化される。
海に面して弾薬搭載エリアも確保。普天間飛行場は周辺に住宅がたて込み、米軍の基準で弾薬搭載エリアが確保できず、嘉手納基地で搭載している。
V字案のように格段に強化された普天間代替施設を再び、他にみつけることは難しい。だが、それは出撃基地としての「利便性」であり、「抑止力」とは別次元だ。丁寧な日米協議が求められる。

<在日米軍> 日米安保条約により、日本に駐留する米軍の総称。司令部は東京・横田基地。兵員4万4850人(2008年3月、外務省調べ)。神奈川県横須賀市の第7艦隊は在日米軍に含まれない。日本が負担する在日米軍関係経費は10年度4695億円。[戻る]

(C)2010,東京新聞



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Posted by n_n at 22:42 │記事