2009年05月08日

日本が望んだ「密約」 対米依存外交の原点

毎日新聞が「密約」の特集をしている、沖縄と日本の歴史を確認する上でも重要な記事だ。
ぜひリンク元、全文呼んで欲しい。

アメリカよ・新ニッポン論:検証(その1) 「核の傘」と安全保障
「・・・米側はいかなる議題であれ議論に応じる態度だった・・・日本に覚悟があれば核戦略を論じるつもりだった。(だが)日本側は・・・米国を信じることによる安心だけを求めた。核の傘とは具体的に何を意味するのか詰めるより、内容はすべて米国にまかせきりにして、言葉による保証だけを重視する日本の姿は、この後も日米安保関係の基本形となった。そのいびつな関係が、日米関係を『密約』だらけにする構造的温床となった・・・」

アメリカよ・新ニッポン論:検証(その2) 沖縄返還交渉
「表に出せば反発を受ける核の傘の実効性を確保したかったのは、米側より佐藤首相の側に、より強い動機があったと見られる。」
「ニクソン・キッシンジャーが主導した米国外交は、世界中の外交課題を相互に連関(リンク)させながら進められていた。だが、対米依存志向が染みついていた日本は、世界を見ない自国中心主義から、「潜在敵」(中国)に対抗して「核の傘」(米国)に固執する固定的な発想から抜け出せず、米側の求めに先んじ自ら申し出て密約を結び、今日なお、その事実を公式には否定し続けている。」
「現在、複数の米公文書により、沖縄返還を巡っては日本側が、公表された額や内訳と異なる多くの財政負担をのんでいた事実が明らかになっている。「事件」で問題にされた密約は、全体から見れば氷山の一角に過ぎない。」

アメリカよ・新ニッポン論:検証(その3止) 米艦船の核兵器持ち込み
「「核4政策」は、非核三原則で核武装を否定する半面、その原則を維持するために米国の核の傘に入っていると確認し、核廃絶をすぐには実現できない「念願」と位置づけて整合性をつけた。「でっちあげ」とはいえ、現在も日本の核政策は、この枠組みにのっとっている。」
「米政府は密約にかかわる多くの公文書を公開し、核搭載艦船がかつて日本に寄港していたことは「常識」になったが、日本政府は寄港密約の存在自体を否定し続けている。あいまいさが戦略的に有効であるより、相互不信を増幅すると懸念したライシャワー氏の真意を、日本政府は今なお受け止めようとしていない。」

◆「密約」とされる主な日米外交交渉
■米兵への1次裁判権放棄
■核搭載米艦船の寄港認める
■朝鮮有事での自由出撃
■寄港密約を再確認
■有事の際の沖縄への核再持ち込み
■沖縄返還の日本側財政負担
■沖縄密約事件の密約



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Posted by n_n at 01:48 │記事